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AI時代に使える3Dスキャナー「Matter and Form THREE」とは?

  • 株式会社Seed3D
  • 5 分前
  • 読了時間: 5分
青い背景に白い3Dスキャナーと円形台座。文字は「AI時代に使える3Dスキャナー」「Matter and Form THREEとは?」の広告。

生成AIの急速な普及によって、文章、画像、動画、プログラムなど、さまざまなデータをAIで扱えるようになりました。

一方で、製造業や研究開発、文化財、デザインなどの現場には、AIだけでは直接扱うことのできない膨大な「現実世界のモノ」が存在します。


そこで重要になってくるのが、現実の形状をデジタルデータへ変換する3Dスキャナーです。

カナダのMatter and Form社が開発した「Matter and Form THREE」は、高精度な3Dスキャンだけでなく、APIやエッジコンピューティングにも対応した、これからのAI・自動化時代を意識した3Dスキャナーです。


今回は、Matter and Form THREEの特徴と、「なぜAI時代に3Dスキャナーが重要になるのか」を解説します。


AIによりプログラミングのハードルが低下


近年、生成AIの普及によって、プログラミングのハードルは大きく下がっています。これまではAPIが公開されていても、プログラミングの知識がなければ「何ができるのかは分かるが、実際に作るのは難しい」というケースが少なくありませんでした。


現在では、生成AIに「このAPIを使って、このような機能を作りたい」と伝え、APIのドキュメントを参照させることで、コードの作成からエラーの修正までサポートしてもらうことができます。


もちろん、複雑なシステムを開発するには専門的な知識が必要です。しかし、簡単な操作画面の作成や特定の処理の自動化などであれば、プログラミング経験が少ない人でも以前より挑戦しやすくなっています。


そのため、これからの機器選びでは「標準ソフトにどんな機能があるか」だけでなく、APIが公開されていて、自分たちの用途に合わせて機能を拡張できるかという点も、より重要になってくると考えています。


  • APIとは?


API(Application Programming Interface)とは、異なるソフトウェアや機器同士をつなぐための仕組みです。


例えば3DスキャナーにAPIが用意されていれば、メーカー純正ソフトから操作するだけでなく、外部のプログラムから「スキャンを開始する」「カメラの映像を取得する」「スキャンデータを保存する」といった命令を送れるようになります。


つまりAPIが公開されていることで、3Dスキャナーを単体の機器として使うだけでなく、自社で開発したアプリや既存のソフトウェア、AIなどと連携させることが可能になります。

3Dスキャナーの比較図。左はAPIなしでメーカー純正ソフトのみ、右はAPIありでスキャン開始・映像取得・保存から自社アプリ、解析、ロボット制御へ連携。

AIが進化しても「現実世界のデータ」が必要


ChatGPTをはじめとする生成AIは、膨大なデジタルデータを利用することで急速に進化してきました。

しかし、製造現場に存在する部品、試作品、金型、工具、文化財、造形物などは、そのままではAIやCADソフトで扱うことができません。


そこで必要になるのが、

現実のモノ → 3Dデータ → ソフトウェア・AIによる処理

という流れです。

3DスキャンからAPIでデータ取得し、CloudCompareで処理・比較・計測、結果出力・保存して自動計測システムへつなぐ図

3Dスキャナーは、この「現実世界とデジタル世界をつなぐ入口」の役割を担います。

例えば、既存部品を3DスキャンしてCAD化するリバースエンジニアリング、製造した部品と設計データの比較、文化財のデジタルアーカイブ、3Dプリンターによる複製など、すでに多くの用途で3Dスキャンデータが利用されています。


今後AIによる3Dデータ処理が発展すれば、スキャンしたデータの自動認識、分類、形状解析、CAD化、検査などへ発展していくことも考えられます。


なぜMatter and Form THREEが選ばれるのか


黒背景に、三脚付きの白い3Dスキャナーと、黒い台座上のアンモナイト化石。前面にMAF Matter and Formの文字。

Matter and Form THREEはAPIを利用できる


Matter and Form THREEは、最大0.033mmの精度や13MPカメラによるカラースキャンといった基本性能だけでなく、市販の3Dスキャナーでは珍しいAPIを利用できることも大きな特徴です。


通常はWebブラウザから操作しますが、APIを利用することで、独自に作成したプログラムからTHREEへ命令を送ることができます。


つまり、メーカー標準の操作画面だけに限定されず、

「3Dスキャナーを自分のシステムの一部として使う」

ということが可能になります。


実際に簡単なアプリを作ってみた。


今回はMatter and Form THREEのAPIを利用して、簡単な操作アプリを試作してみました。

ちなみに私はプログラミング経験の全くない完全な初心者です。



Matter and Form THREE Controllerの画面。Scanner AddressやPort、Connected表示、ProjectsとScan一覧、ログにPLY書き出しが見える。
完成したアプリ

白い背景に、装飾模様のある長方形の銀色の箱が斜めに置かれ、左右に黒い断片が見える抽象的なモノクロ写真。
スキャンしたデータ

このアプリでは3Dスキャンをしてビューで表示するという簡単なものです。

まだ検証段階の簡易的なものですが、自作の外部のアプリケーションからTHREEへ接続し、スキャナーを操作することができます。


重要なのはアプリそのものではなく、3Dスキャナーの機能を外部から利用できるという点です。



一般的な3Dスキャナーでは、メーカーが用意したソフトウェアの機能が、そのまま製品のできることの上限になりがちです。

一方でAPIが公開されていれば、自社の用途に合わせて必要な機能だけを持ったアプリケーションを開発することもできます。


今後AI×3Dスキャナーはどうなるのか?


今後、AIと3Dスキャナーの組み合わせは、単に「3Dデータを取得する」だけではなく、取得したデータを自動で処理・解析・活用する方向へ進んでいくと考えられます。

例えば、オープンソースの3D点群処理ソフト「CloudCompare」と組み合わせれば、3Dスキャンしたデータの位置合わせや比較、距離・寸法の計測などを行うことができます。Matter and Form THREEのAPIと組み合わせることで、


「スキャン → データ取得 → CloudCompareによる処理・比較 → 結果出力」


といった工程を自動化し、簡易的な自動計測システムへ発展させることも考えられます。


さらに今後注目したいのが、3D生成AIとの連携です。画像やテキストから3Dモデルを生成するAIサービスにもAPIを提供するものが登場しておりますが、3D生成AIで作成したモデルは「サイズ情報が全く異なる」「よくみる実物と形状が異なる」といったデメリットがあります。

3D生成AIと3Dスキャナー活用の説明図。スキャンデータ→AI生成/編集の流れ、右にメリットを示す紫のアイコンと文字。

3Dスキャナーで取得した実物の形状と生成AIを組み合わせることで、欠損部分の補完、3Dモデルの生成・編集、デザイン案の作成など、新しいワークフローが生まれる可能性があります。


これまで3Dスキャナーは、メーカーが提供する専用ソフトウェアの機能によって「できること」がある程度決まっていました。しかし、AIによってプログラミングのハードルが下がり、APIを持つ3Dスキャナーとオープンソースソフト、生成AIなどをユーザー自身が組み合わせられるようになれば、用途に合わせて3Dスキャナーの機能そのものを拡張するという使い方が現実的になってきます。

3Dスキャナー選びのポイントを示す図。左に「これまで」専用ソフト依存、中央に三脚型スキャナーとAPIで拡張、右に「APIが公開されているか」が重要と強調。

その意味でも、これからの3Dスキャナー選びでは精度や解像度だけでなく、「APIが公開されているか」も重要なポイントになっていくのではないでしょうか。


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